おはようございます。リアルインサイトの今堀です。
思いきり私事で恐縮ですが、今回は近況について簡単にお話しさせていただきます。
実は、
「扁桃(へんとう)摘出手術」
を受けるために、1週間程入院しておりました。
この扁桃、かつては
「扁桃腺(へんとうせん)」
と呼称されていましたが、分泌を行う器官としての「腺」ではないため、今は「扁桃」と呼ぶのが正しいそうで、正式には「口蓋扁桃(こうがいへんとう)」というものです。
手術を受けることにした理由は、
- 慢性扁桃炎が悪化してきたこと
- 睡眠時無呼吸症と診断されたこと
です。
1については、子供の頃から、毎年喉が腫れて高熱を出していました。長らく風邪だと思いこんでいたものの、どうやら慢性扁桃炎というものだと気づいたのは、数年前のことです。元々平熱が高いこともあり、多少熱が出た位ではなんともない方なのですが、最近
41.5度
をマークした時は、さすがにぐったりしてしまいました。
さらに、2についての検査では、
「重症」
という診断結果が出てしまいました。睡眠1時間あたり、
【平均52回】
呼吸が停止しているそうです。ほぼ毎分ですね。。。
1の改善と、あわよくば2も・・・
というわけで、摘出手術を受けることにしたのですが、入院前にはネットを中心に様々な情報を調べました。医学論文も見つかる限り色々と読んでみましたので、
- 扁桃摘出(扁摘)手術の起源は古く、紀元前1000年頃には既に行われた記録があること
- 耳鼻科医が最初に習熟する手術であり、術式自体は全く難しいものではないこと
- かつては局所麻酔の日帰り手術だったが、現在は全身麻酔で行うこと
- 術後の出血リスクコントロールのため、1週間から10日地程度の入院が必要とされていること
- 通常はアデノイド(咽頭扁桃)と同様に、子供の頃に摘出(切除)するケースが多いこと
- 最近は摘出のデメリットも指摘されており、安易な手術は避けるべきという主張もあること
などを知りました。それでも、これまで散々苦しまされてきた扁桃炎の痛みから解放されるだけでなく、睡眠時無呼吸症の改善も期待できるので、手術については実に前向きに決断しました。
むしろ、初めて全身麻酔を受けることを楽しみにしていた位です。
しかし、個人差があるとは言われていたものの、術後の痛みが想像以上にきつく、長引いたことは、大きな誤算でした(だいぶマシにはなりましたが、まだ痛み止めを服用しています)。
そして、入院前に読んだある論文にあった記述を思い出して、心底ゾッとしました。
それは、
「西暦30年頃には爪で扁桃の回りをはがし, むしりとる用手摘出術が行われていた」※1
というものです。入院して手厚い看護を受けていたにも関わらず、酷い痛みに苦しんだ位ですから、もしも私がその時代に手術を受けていたら、発狂していたかもしれません。。。
医学の進歩がもたらした恩恵に、改めて深く感謝しました。
そして、アメリカでは我が国よりも扁桃摘出手術が一般的で、子供の頃に手術を受けるケースが多いそうなのですが、ある医院が公表していたデータに拠ると、扁桃摘出の
94.8% ※2
が「日帰り手術」なのだそうです(日本では0.0%)。
その理由はやはり、
「保険制度の違いによる事情が大きい」
ことのようで、日本が国民皆保険制度を実現しているのに対し、アメリカでは個人個人が医療保険に加入しなければならず、保険料の支払いに応じて受けられる医療が限定されているため、患者の要望とは関係なく、保険会社の事情で「日帰り手術」しか認められないということのようでした。
扁桃手術を受けたアメリカ人が、YouTubeに多数の動画をアップしていますが、
「人生最大の痛み」
と形容している人もいる程で、子供よりも傷の治りが遅い大人にとって、日帰り手術は、かなり過酷な体験のようです。
日本の国民皆保険制度のありがたみを、身をもって再認識しました。
しかし、この国民皆保険のみならず、日本が誇るべき様々なものが、凄まじい勢いで失われている現実があります。
私の入院中にも、
- 入管法改正案
- 水道法改正案
- 漁業法改正案
と立て続けに、国の形を大きく変えかねない重大な法改正が実施されてしまいました。
何度かご紹介させていただいているジャーナリストの堤未果氏のご著作、
『日本が売られる』
で取り上げられている多くの問題が、恐ろしいほどの勢いで現実化しています(会員の皆様は、ザ・リアルインサイト2018年10月号の堤氏インタビューも、是非改めてご視聴下さい)。
平成最後の年末に、駆け込みのように成立してしまった様々な法改正の問題点は、今後も取り上げてまいりますので、お付き合いいただけましたら幸いです。
それでは、また。
今日も皆様にとって幸多き1日になりますように。
日本のよりよい未来のために。私達の生活、子ども達の命を守るために、ともに歩んでいけることを切に願っています。
リアルインサイト 今堀 健司
追伸:
全身麻酔の手術前には、「1か月前の禁煙が必須」とのことでしたので、タバコを止めました。
『禁煙セラピー』※4
は、「読むだけで絶対やめられる」と謳うだけあって、効果覿面です。必要な方には強くお薦めします(実際に、私はこれで「何度も」止めています)。
【参照・引用文献】
※1 電気扁桃絞断器 ―扁桃絞断器の一工夫―(白幡雄一 他)
※3 『日本が売られる』(堤未果著, 幻冬舎新書, 2018年)
※4 『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー』(アレン・カー著, ロングセラーズ, 1996年)
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