新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が5月14日、39の県で解除され、首都圏や大阪等の8都道府県も5月21日を目処に解除の判断がされることになりました。 *

このまま確実に収束に向かうのかはもちろんまだわかりせんし、一旦収束したとしても、

「第2波」 *2

への警戒は、当然続けなくてはならないでしょう。

そして、経済への悪影響の深刻さは倒産件数急増*3 にも現れています。

5月15日にはアパレル大手のレナウンが、上場企業では初めて、外出自粛による売上の減少によって経営破綻しました。 *4

総務省が4月28日に発表した3月の労働力調査による完全失業率は前月比0.1ポイントの悪化となる2.5%で*5、 ピークは25%とも予想されているアメリカ*6と比較すればかなり落ち着いているように思えますが、緊急事態宣言発出による外出や店舗営業の自粛要請で生産や消費に急ブレーキがかかったのは4月以降であるため、今後の悪化は避けられないでしょう。西村康稔経済再生相も雇用環境について、

「4月以降の方が、おそらく大変な状況になっていると思う」 *7

と発言しています。また、前回もお伝えしましたが、

「10万円給付」に関連して自治体窓口で起きている混乱は、かなり深刻なものとなってしまっているようです。 *8

経済対策のみならず、「コロナ対応」のために急がねばならない政策はまだまだあるはずです。

しかし、そのような状況でも、なぜ急がねばならないのかわからない法改正が推し進められています。

野党が「火事場泥棒」と批判し、ネット上での抗議が広がっている、*9

「検察庁法改正案」

がその一つです。政府は苦しい答弁を繰り返しつつも、着実に進捗させてきました。

ここへきて、思わぬ反発が広がり、野党が武田国家公務員制度担当大臣の不信任決議案を提出したことで、15日の衆院内閣委員会での採決は見送られ、来週は

「与野党の攻防が激化する見通し」 *10

と報じられています。

もちろん、賛否は分かれるでしょう。

しかし、少なくとも

「今やらなければならないこと」

ではないはずです。

ここに至る経緯を改めて知っていただくために、

『官邸官僚』 *11

の著者でジャーナリストの森功(もり いさお)氏に、昨年実施したインタビュー動画の一部を公開します。

森功氏インタビュー
「“官邸の守護神”と呼ばれた
 検察幹部の正体」
 -ザ・リアルインサイト2019年7月号-

是非、今すぐご視聴ください。

コロナウイルス禍が世界に拡がる中、幸いにも我が国の感染者・死者数は相対的に低い水準にとどまっています。

しかし、それが政府の対策が奏功したことによるものなのかは、まだわかりません。

そして、一斉休校や外出・店舗営業の自粛要請によって発生した経済損失への補償は、甚だ不十分であるだけでなく、実施が決まったものですら、様々な障害により、実施が遅れに遅れています。

絶対に必要な政策は不十分で遅い中、本当に必要なのかわからない政策は着々と進められている……。

そればかりか、この危機を利用しようとする動きすら見られ始めています。

コロナウイルス禍を乗り越えるために本当に必要なものは何か?

コロナ恐慌にどう対処すればよいのか?

それを知るためには、

ザ・リアルインサイト最新号も、是非ご確認ください。
https://www.realinsight.co.jp/lp/tri/corona2020/letter/

それでは、また。

リアルインサイト 今堀 健司

【引用・参照元】

* <政治編>まず39県 段階的に日常再開へ(2020年5月16日・東京新聞)

*2 新型コロナの「緊急事態宣言」、39県で解除 「第二波」を見据えた対策が重要に 東京・北海道・大阪などは21日 判断へ、第一波は収束に向かうか(2020年5月15日・日経メディカル)

新型コロナ収束地を襲う「第2波」、感染経路の追跡さらに難しく(2020年5月15日・Bloomberg)

*3 倒産件数、コロナで7年ぶり1万件超えか 雇用にも影響(2020年5月15日・朝日新聞デジタル)

*4 レナウン民事再生手続きへ コロナ打撃、 負債138億円(2020年5月15日・朝日新聞デジタル)

*5 労働力調査(基本集計) 2020年 (令和2年)3月分結果(2020年4月28日公表・総務省統計局)

*6 ゴールドマン、米失業率のピーク 予想を25%に上方修正-従来15%(2020年5月14日・日本経済新聞)

*7 緊急事態宣言、ぎりぎりまでデータみて判断=西村経済再生相(2020年4月28日・ロイター)

*8 給付金で大混乱「市役所窓口」のヤバすぎる内情 現場で起こる”3つの問題”に職員は怒り心頭(2020年5月16日・東洋経済オンライン)

*9 野党からは“火事場泥棒”批判 小泉今日子・ 宮本亞門らも「#」抗議(2020年5月11日・FNN PRIME)

*10 検察庁法の改正案 不信任決議案提出で採決見送り(2020年5月15日・NHK NEWS WEB)

*11 『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』(森功著,文藝春秋,2019年)

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